東京電力(TEPCO)は福島第1原発敷地内で致死量のガンマ線が発生している箇所を発見しました。フェアウィンズは、放射性物質がどのような経緯でこの場所に堆積されたのか、また、同様の放射性物質が敷地外に放出された可能性について、考察します。
こんにちは。フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。今日は8月4日木曜日です。2日前、東京電力は非常に高レベルの放射線が福島第1原発で検出されたと発表しました。この事象を全体に位置づけ、福島原発で何が起きているかについて私の考えをお伝えしたいと思います。
まず、東京電力が非常に高レベルの放射線を発見したのは、放射性物質を空気中に放出するための排気塔です。測定された放射線量は並外れて高く、10シーベルトでした。私はレムに慣れているのでそれに換算すると、1,000レムです。
これはどれくらいの数値でしょうか。1,000レム、いや測定器が振り切れたのでそれ以上ですが、これはその近くに30分居ただけで、数日で死に至るレベルです。このような被曝をすると広範囲にわたって神経細胞が破壊され、医学では修復できません。近くに数分以上いたら、死刑宣告を受けるようなものです。
興味深いのは、原発の敷地内についてはこれまでに詳細な地図が作成されていることです。最新版を見ると、ホットスポットが非常にたくさんあるのがわかります。ところが今回のホットスポットは、2日前まで発見されませんでした。
理由はいくつか考えられます。たとえば、保健物理学(放射線の安全な取り扱いを研究する実践的研究分野)の調査がひどくお粗末だったために、この100日間のあいだ見逃されていた可能性です。私はそうは思いませんが、とにかく、古い地図を見てもその場所に高線量の地点があると記されていないのは事実です。
もっと可能性が高いのは、時間の経過とともに放射性物質が蓄積したことです。私はそう考えています。
重要なのはこれが排気塔で見つかったことです。今回の高レベル放射線が検出されるまで、この排気塔は 何週間も何ヶ月ものあいだ格納容器内のガスを逃がしてきました。朝、車のエンジンをかけると、排気管から水が滴り落ちることがあるのはご存知でしょう。福 島で起きたのはそういうことだと思います。格納容器から出るガスは高温で多量の水分を含んでいます。ガスは排気塔を上へとのぼっていきますが、排気管の外 側にガスが触れると、気体が凝縮して液体になります。
排出されるのは高温の水蒸気と高温の水だけではありません。多量のセシウムが含まれています。セシウムと高温の水が配管の外側を伝わって落ち、下に溜まった。時間とともにどんどん溜まって濃度が高まっていきました。
最初の調査のときには、まだほかの放射線源と比べたら線量が高くなかったために見落とされた可能性があります。しかし、時とともにセシウムを含んだ水がさらに流れ落ちてくるにつれて、その濃度はどんどん高まっていきました。
覚えておいていただきたいのですが、この致命的なレベルの放射線が見つかったのは敷地外ではなく敷地内です。これは喜ぶべきことです。ですが、その排気塔からは長期にわたって排気が行なわれていました。実際に過去140日間でどれだ
け高レベルの放射線が放出されてきたのかを今回の発見が物語っています。しかもそれは、環境中に放出された全体量のごく一部でしかないのです。
別の説もあります。事故後一週間のあいだに起きた爆発で吹き飛ばされたものが、あの場所に落ちたというものです。これもやはり保健物理学の調査がよほどお粗末だったためか、最初に調査したときにはなかったのにしだいに蓄積していったかのどちらかです。
東京電力は原発敷地内のいたるところで高線量のがれきを確認しています。作業員のアクセスを容易にするために、その一部はすでにブルドーザーでどかして埋めてあります。ということは、今後10年間にわたって、敷地内ではときおり急激な線量の上昇が起きることになります。ひとつには、埋めたがれきを掘り出すとき。掘り出す作業が続くあいだは放射線源が存在し続けることになります。
もうひとつは、実際に原子炉を解体するために人が建屋のなかに入るときです。今回以上に高い放射線量 に直面することになるでしょう。思い出していただきたいのは、炉心が今や原子炉を突き抜けて、パンケーキのようにコンクリートに張り付き、下へ下へと落ち ていっていることです。まだコンクリートを突き破ってはいないと思いますが。その炉心の放射線量は今回発見されたレベルの比ではありません。だから東電は 原子炉をきれいにするまでに10年から20年かかると発表しているわけです。
この作業は、中に人を送り込んで床をシャベルで掘れば済むというものではありません。ロボットにやらせる必要がありますので、非常に長い時間がかかりま。
この件に関して進展があればまたお知らせします。
最後にひとつお詫びがあります。前回のバーモント大学からのビデオに一箇所間違いがありました。最終 処理施設が建設中なのは「フィンランド」です。プレゼンテーションのなかで私は間違ってスウェーデンと言ってしまいました。フィンランドの皆さん、皆さん の国を間違えてしまって申し訳ありません。
ありがとうございました。
